人間学を共に学ぶ その12

人間学を共に学ぶ皆さんこんばんは。

今回は五百以上ある論語の中でも最も有名な孔子さんの言葉です。

子曰わく、吾(われ)十有(ゆう)五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知り、六十にして耳順(みみしたがい)い、七十にして心の欲する所に従えども、矩(のり)をこえず。

意味は、

私は十五の年に聖賢の学(立派な人物になる学問)に志し、三十になって一つの信念を持って世に立った。
しかし、世の中は私の意のままには動かず、迷いに迷ったが、四十になって物の道理がわかるにつれ迷わなくなった。
五十になって、自分が天の働きによって生まれ、また何ものにもかえられない尊い使命を授けられていることを悟った。
六十になって、人の言葉や天の声が素直に聞けるようになった。
そうして七十を過ぎる頃から自分の思いのままに行動しても、決して道理を踏み外すことがなくなった。

これは孔子さんが七十二歳に亡くなる前に、自分の人生を振り返ってみた歩みの道を述べた言葉です。
孔子さんは生涯を通じて自己完成に努め、息を引き取る時に完熟の境地に達した人です。
人間は不完全な存在であり、その不完全性を自覚して、より完全な人間に近づく努力をすることで、より人間らしい人間になれるのです。
反対に、自らの不完全性も自覚することなく、自己完成も求めない人は、より動物に近づいて行く、と言っても過言ではないと思います。
前回のメールにありましたように、人間の成長は学問と経験の二つが必要です。
「論語読みの論語知らず」とならないように、学んでことを一つでも実践していきたいものですね。…これは私自身への戒めです。

この論語は歳を表す時によく引用されますので、参考に書きます。

志学(しがく)十五
而立(じりつ)三十
不惑(ふわく)四十
知命(ちめい)五十
耳順(じじゅん)六十
従心(じゅうしん)七十

今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

山内恭輔

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