社長と共に人間学を学ぶ その6

人間学を共に学ぶ皆さん、こんにちは。

前回、皆さんに「仁」について学んでいきましょうとお約束をしましたので、今回は仁について解説します。

子曰(し、のたま)わく、仁遠からんや。
我仁を欲すれば、ここに仁至る。

【述而(じゅつじ)第七】

意味は

先師が言われた。

仁は人が生まれながらに与えられているもので、遠くに求めるものではない。
従って、仁を実践しようと思えば、仁は直ちに実現されるであろう。

前回において「仁」とは、論語においては「完成された徳を備える人」という難しい表現をしましたので、仁は特別な人しか出来ないと思われた人も多いかも知れません。

しかし、孔子さんは仁とはそんなに肩肘張るような難しいものではないと諭されます。

伊與田先生は、仁の心を持つ最も身近な者は、子供に対する親であると言われます。

親の持つ心を親心と言いますが、親心は我が子を無条件に受け入れます。

時には吾が命と引き替えに我が子を守ろうとさえします。

親は我が子と一体感を感じて、子供のことが手に取るように判ります。

このような親心こそが仁そのものです。

人間だけでなく、他の動物も親となったら子供を一体と感じるがゆえに、教えられなくても子供をちゃんと育てることが出来るのです。

仁は、決して遠くの世界にあるものではなく、親であればだれでも仁の心を持つことが出来るというものです。

だから「我仁を欲すれば、ここに仁至る」、すなわち、仁を実践しようとすれば、仁は直ぐに実現出来るよ、と孔子さんは言われるのです。

もし、この親心を我が子だけでなく、全ての人に対して持つことが出来たら大変に素晴らしいことですね。

仁というのは、相手と自分を区別して隔てないことです。

相手を喜ばせることを中心に考えることが仁の心です。

戦後の道徳教育を否定した歪んだ教育によって自己中心の考えが蔓延していますが、今こそ私達大人が仁の心を実践して、正しい生き方のお手本を示すべきではないでしょうか。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

感謝合掌 山内恭輔

 

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