社長短針 2016年4月 第223号
目的と目標を明確にする
スポーツの世界で、強いチームは目的と目標を明確に分けて、勝ち負けを目的にしていません。
勝ち負けを目的にするとチーム内で大きな問題がたびたび起きるようになり、チームワークは乱れます。
何故なら、勝った時はチーム内の雰囲気は良いのですが、負けた時には監督は不機嫌になりますし、チーム内で悪者探しが始まるからです。
そして、チーム内の雰囲気が悪くなり、人間関係がぎくしゃくして、ちょっとした事で人間関係のトラブルが起きるようになります。
ちなみに、サンフレッチェの監督に就任して4年間で3度の日本チャンピオンという輝かしい実績を上げている森保監督の掲げる目的は、日本一魅力あるチームであり、魅力ある人間作りです。
そして、目標は試合に勝つ事です。
目的が魅力あるチーム作りであり、魅力ある人間作りなので、負けた時こそ成長、成功へのヒントが沢山出て魅力ある人間作りのチャンスとなります。
チームのメンバー全員が負けた原因を考えて前へ進むからこそ魅力あるチーム作りが出来て、チームが一丸となるので、一切トラブルが起きないそうです。
ですから、試合のたびに、勝って喜んだり、負けて悔しがるようなことはしません。
試合の勝ち負けで一喜一憂していては選手の精神波動が大きくなり心のバランスが崩れるからです。
大切な事は、一年間を通じて平常心を保って過ごすことです。
負けても、連敗しても落ち込む事なく頭を切り換えて次の試合へ臨む事で日本チャンピオンという大きな成果を手にする事が出来たそうです。
企業も売上を上げる事を目的とすると、仕事の内容で一喜一憂するようになり、心が乱れやすくなり、お金という魔物に魂を売ってしまいます。
仕事の目的は誰からも信頼され尊敬される魅力的な人間を目指して自己成長を図る事です。
そして、目標は無事故で運行して、快適な接客で心からのありがとうを沢山作り出し、創意工夫と集中力で生産性を上げる事です。
そうする事で大切な家族、仕事の仲間、友人、お客様から貴方に出逢えて良かったと言われるような人間になりたいものです。
仕事場を人間的魅力を高める人生道場と考えて、お互いに切磋琢磨していこうではありませんか。
感謝合掌 山内 恭輔