社長短信 2022年8月 第300号
私たちの仕事は職業分類では旅客輸送業といいます。
けれども、単に人を運んでいるのではなく、私たちは人の大切な命を運んでいるという自覚と責任を持って仕事に取り組むことが絶対条件です。
日本の運輸史上、最も痛恨の事件「軽井沢バス事故」は運転技術が未熟なドライバーにハンドルを持たせた事が原因ですが、その背景には、人の大切な命を運んでいるという自覚も責任感もなく、安全運行に必要な教育訓練を十分に行っていなかったからです。
我が社の安全理念にも掲げていますが私たちプロドライバーは「絶対無事故」を目指さなければなりません。
「軽井沢バス事故」は、経営者もドライバーもプロとしての意識が低いために重大事故になりました。
では、その「プロ」の条件とはなんでしょうか。
この「プロの条件」を明確に簡潔に書かれた文章をみつけました。
人間学を学べる日本で唯一の月刊誌「致知」の編集長であり、致知出版の社長でもあり、私が尊敬する藤尾秀明氏が書かれた「プロの条件」を同封しました。
是非とも読んで頂き、プロとしての条件を満たす努力を私も皆さんと一緒にしていきたいと思います。
感謝合掌 山内 恭輔
『 追伸 』
今月8月にて社長短信が三百号を迎えました。
並びに週間一言も8月8日に七百号を迎えました。
社長短信はちょうど二五年前が第一号となります。
二九年前に社長になり、会社を更に立派にしたいと思い、良い会社には良い人財が必要であり、人財育成の一番重要な事は「価値観共有」だと考えました。
そして、仕事観、人生観、人間観の三つの価値観共有を図るために社長短信と週間一言を作成してきました。
継続は力なりと言いますが、これからも更に良い会社創りを目指して作成する所存ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
『 プロの条件 』
職業のジャンルを問わない。
仕事をする事によって報酬を得ている人は、そのことによって、すでにプロである。
また、プロでなければならないはずである。
しかし、現実には、プロとしての仕事の仕方をしていない人が相当数居る事も事実である。
プロとアマチュアとの違いは何だろうか。
それは次の四つに集約されるのではないか。
第一は、プロは「自分で高い目標を立てられる人」だということである。
自分なりにほどほどにやれればいい、この程度でいいだろうと、目標を出来るだけ低く設定しようとするのがアマである。
プロは違う。
プロは自分で高い目標を立て、その目標に責任を持って挑戦していこうとする意欲を持っている。
第二は「約束を守る」ということだ。
約束を守るというのは、成果を出すということである。
自分に与えられた報酬にふさわしい成果をきっちりと出せる人、それがプロである。
成果を出せなくてもなんの痛痒(つうよう)も感じず、やれなかった弁解を繰り返してやり過ごそうとする者がいる。アマの典型である。
第三は「準備をする」
プロは「絶対に成功する」という責任を自分に課している。
絶対に成功するためには徹底して準備をする。
準備に準備を重ねる。自分を鍛えに鍛える。
そうして勝負の場に臨むから、プロは成功するのである。
アマは準備らしい準備をほとんどせず、まあ、うまくいけば勝てるだろうと、安易な気持ちで勝負に臨む。
この差が勝敗の差となって表れてくるのである。
表現を変えれば、プロは寝てもさめても考えている人である。
起きている時間だけではない、寝ても夢の中にまで出てくる。それがプロである。
少しは考えるが、すぐに他のことに気をとられて忘れてしまうのがアマの通弊(つうへい)である。
第四は、これこそプロとアマを分ける決定的な要因である。
プロになるためには欠かせない絶対条件だといえる。
それは、プロは「進んで代償を支払おうという気持ちを持っている」
ということだ。
プロであるためには高い能力が不可欠である。
その高い能力を獲得するためには、時間とお金と努力をいとわない。代償を悔いない。
それがプロである。
代償をケチり、代償を渋り、自己投資を怠る人は絶対にプロになれないことは自明の理であろう。
最後に一流といわれるプロに共通した条件をあげる。
それは
「神は努力する者に必ず報いる、と心から信じている」ということである。
不平や不満は、それに相応しい現実しか呼び寄せないことを知り、感謝と報恩の心で生きようとする。
それが「一流のプロ」に共通した条件であることを付言しておきたい。
さて、あなたはこれらの条件を満たしているだろうか、満たすべく努力をしているだろうか。