社長短信 2013年10月 第194号
今年は10月に入っても残暑が厳しく続いていますが、朝晩は随分と涼しくなり着実に秋の足音が聞こえて来ました。
皆さん、お元気でお過ごしの事と嬉しく思います。
さて、去る9月30日、10月1日の二日間に分けてタクシー課の管理者研修会を開催しました。
目的は管理職の皆さんのスキルアップと組織力のアップです。
つばめ交通では管理者の責任を下記のように明示しています。
「部下の能力を最大限に引き出して成果を作り出す援助を行う」
平たく言えば、部下のヤル気を引き出す、ということです。
これは管理職だけでなく同じ会社で一緒に働く仲間の責任でもあり、更には家庭において子供に対する親の責任でもあります。
教育とは教える事よりもヤル気を引き出す事が重要であり、子供のヤル気を引き出す事が出来れば、後は自らが前向きに勉強して教えた事以上に成長する、と私の高校時代の恩師も言われました。
私が尊敬する京セラの創業者である稲森和夫氏の格言の一つに成果を作り出す方程式というのがあります。
成果=能力×ヤル気×考え方×時間
この4つの中で最も大切なことは「ヤル気」です。
ヤル気(情熱)に勝る天才無し、という言葉もありますが如何にしてヤル気を引き出すかが重要です。
能力があってもヤル気が無ければ成果は作り出せません。
これは仕事における成果だけでなく、人生を幸せなもとするためにもこのヤル気は重要です。
しかし、ヤル気が大切だと頭では判っていてもなかなか引き出せない、あるいはヤル気が継続しないのが人間です。
野球のイチロー選手のように自分自身でヤル気を引き出せる人は稀だと思います。
やはり周りからの援助があってヤル気が引き出せるのが一般的な人間だと私は思います。
ヤル気を引き出すためにはいろいろな方法がありますが、誉める事が最も有効です。
日本海軍の名将である山本五十六の名言の一つに
『やって見せて、言って聞かせて、やらせて見て、誉めてやらねば人は動かず』
とありますが、人は誉められる事でヤル気が引き出されます。
けれども意外と誉めるのが苦手な方が多いのですが、これは潜在意識の中に「誉めるとつけあがる」あるいは誉めるのは恥ずかしいという意識があるからでり、これは多くの日本人が持つ間違った固定観念です。
これは誉める事が苦手な人の言い訳であり、人を育てる事が上手な人は誉め方も上手です。
しかし、ヤル気を引き出す、すなわち相手の情熱に火を着けるのはテクニックだけでは上手くいきません。
相手の成長を心から願う燃えるような情熱、愛情が必要です。
深い愛情を持って人に関わることでその愛情を相手が感じて「この人なら信頼出来る」と思ってくれるから、誉め方が上手な人は良い人間関係作りも大変に上手です。
また、愛情を持って叱るから相手からの信頼を得る事も出来ます。
研修会で配布した上手な誉め方、叱り方の資料を同封しますので是非とも良き人間関係作り、良き子育てに活用されて下さい。