第246号

社長短信 2018年2月 第246号

 

先般、私の愛読書であり、つばめの管理者の皆さんにも配布しています月刊「致知」の創刊四十周年の記念講演会に参加してきました。

その中で三重県大峯寺にて千日回峰行を満行された塩沼亮潤大阿闍梨さん(以下、塩沼さん)と致知出版の藤尾社長さんのお話を聞かせて頂き、大変に感動しましたのでその一部を皆さんへ報告したいと思います。

今年五十才になる塩沼さんは三重県金峯山が開山して千三百年の間で満行者が二名しか居ないという、毎日往復四十八キロの山道を走破する大変に過酷な千日回峰行を二十四才から毎年百二十日、九年間かけて満行された方です。

私は有り難いご縁があって、塩沼さんとは二度ほど親しくお話をさせて頂く機会がありましたが、威厳とか近寄り難いという雰囲気を超越され、時にはジョークも言われ、いつまでも一緒に居たいと思うほど気さくで優しい微笑みを持つ方です。

過酷な体験をすると人間は大きく変わると言いますが、吸い込まれそうな優しさを持つ本物の人間とはこのような方を言うのだろうと思った次第です。

その塩沼さんが回峰行を始めて五百日目くらいの頃、疲労で体調を崩し下痢も止まらず体力の限界が来て動けなくなり、もうダメだと思った時に苦しくても頑張っている母親の姿が目に浮かび、その瞬間に身体の奥から力が湧いてきて再び歩き出す事が出来たそうです。

人間は死ぬ間際の限界ギリギリになった時に最大限の力が発揮出来るという体験をされたのですが、その時の力の源が母親の存在ですと言われました。

そして、人間は教えてもらう学問よりも日常の人生の先輩の姿から学ぶ事が一番大切です、だから自分の一挙手一投足が子供達や世間に大きな影響を与えている事を自覚して真剣に生きて下さいと言われました。

親としても社会人としても自分の後ろ姿に責任を取れる生き方を目指したいと強く思った次第です。

また、小さい頃に食べ物の好き嫌いをさせないことで忍耐力が養われるとも言われました。この忍耐力にてどんな人でも受け入れる事が出来て、優しさが生まれ、人生を幸せに生き抜く一番の力となります。

忍耐力は言い換えれば自らを律する自律心ですが一生をかけて手に入れる努力をして下さいと言われました。

致知出版の藤尾社長は仕事上、たくさんの成功者を知る機会がありますが、その成功者の多くの家庭では母親が父親を信頼し尊敬していると言われました。

私も今から間に合うか分かりませんが仕事を通して人間力と仕事力を更に高めて女房からの信頼と尊敬を更に得たいと思いました。

感謝合掌 山内 恭輔

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