社長と学ぶ人間学 その25

人間学を共に学ぶ皆さん、こんばんは。

この度の東北関東大震災にて多くの尊い人命が失われましたこと、心痛の極みであります。

心からご冥福をお祈りいたします。

朝からずっと流れてくる被災地の情報に心が張り裂けるような思いを持って聴いていますが、皆さんも同じ心境だと思います。

まだ苦難は始まったばかりであり、これから更に厳しい困難、障害が発生します。しかし、今、私達が為すべき事は、憂いて立ち止まるよりも、ただひたすらに前進あるのみです。

今の出来事に心を乱されることなく、目の前のやるべき事を一所懸命に取り組む事だと思います。

海外の報道では、被災地では秩序が保たれて盗難や略奪等は全く無く、避難所にはゴミ一つ落ちてないことに感嘆と称賛の声が上がっていますが、同じ日本人として大変に誇りに思います。

今回は『窮しても(困っても)困らない』という論語を共に学びましょう。

陳(ちん)に在(あ)りて糧(りょう)を絶つ。
従者(じゅうしゃ)病(や)みて能く(よく)興つ(たつ)こと莫し(なし)。
子路(しろ)慍み(うらみ)見えて(まみえて)曰く、君子も亦(また)窮(きゅう)すること有るか。
子曰く、君子、固(もと)より窮す。小人、窮すれば斯(ここ)に濫る(みだる)。

衛霊公第十五

口語和訳

孔子とその弟子達一行か、陳の国にいる時に隣国の呉と戦争が起きて食糧が無くなってしまった。
孔子の弟子達は餓えて疲れて立ち上がる気力も無くなっていった。
子路が憤激して孔子に尋ねた。
『君子も困ることがありますか?』
孔子は答えられた。
『君子でも当然困ることはあるさ。しかし、小人は困ると混乱して何をするか判らないものだ』

解説

孔子は君子と小人の
『困窮した時の対処の違い』
を冷静に説いています。

孔子は、小人は困窮が極まると自暴自棄になって何をするか分からないが、君子はどのような苦境にあっても冷静に自分の徳性と倫理観を失うことがないと教えています。

今、被災者の人達は悲惨な状況にありながらも自暴自棄になることなく、復興に向けて一歩を踏み出し、頑張っています。
安全な場所にいる私達も『窮しても困せず』、困っても乱れない、この姿勢を持って、日々新たに頑張りましょう。

山内恭輔

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