社長と共に人間学を学ぶ その13

人間学を共に学ぶ皆さん、こんばんは。

急に冷え込みが厳しくなってきましたね。
目も心も楽しませてくれた紅葉の季節も終わり、いよいよ冬到来です。
日本ほど四季のはっきりとした国は世界中どこを探しても無い。と言われますが、四季がハッキリとしている国に住む民族だからこそ、豊かな感性が育まれた民族なのだという説に私は大変に納得しています。

ちなみに、秋という季節には欠かせない虫の音色も欧米人には単なる雑音でしかないそうです。
虫の音色を楽しむ、という自然を愛する豊かな感性は日本人だけが持つものだそうです。
最近は欧米人の間で、日本人の特有のワビサビ文化への憧れが深まっていると言います。
これは人間性回復の兆しであると思いますが、感性豊かな民族であることを我々はもっと誇りに思っても良いと思いますが、如何でしょうか?

さて、その心豊かな感性の象徴の一つに親孝行があります。

短い論語ですが、伊與田先生は大変に深い意味のある言葉だと解説をされています。

孟武伯(もうぶはく)、孝を問う。
子(し)曰(のたまわ)く、父母は唯(ただ)その疾(やまい)をこれ憂(うれ)う。

為政第二より

意味は、

孟武伯が孝(親孝行)のことをたずねた。
孔子が答えられた。「父母には、ただ子供の病気を心配するものであります。」
※「孟武伯(もうぶはく)」という人物は、当時の権力者の息子ですので、ワンパク育ちの人間だといわれています。

解説として

親は子供が幾つになっても子供の事をあれこれと心配するものです。
特に男子の場合には、一歩外へ出たら7人の敵が居る、と言われるくらいに沢山の危険な事があります。
逆に他人を傷つけたりする場合もあります。
病気はやむを得ない場合もありますが、その他のことでは親に心配をかけないようにすることが親孝行です、と孔子さんは諭しています。
親孝行とは、親に何を与えるか、よりも親に心配をさせないことが大切である、と言うことを述べています。

更に

子游(しゆう)、孝を問う。
子曰わく、今の孝はこれ能(よ)く養うという。
犬馬(けんば)に至るまで皆能く養うあり。
敬(けい)せずんば何を以(もっ)て別(わか)たんや。

為政第二より

意味は

子游(しゆう)が孝について孔子に尋ねた。
孔子が答えられた。
今では、親に衣食の不自由をさせないのを親孝行というが、犬や馬に至るまでみんなよく養っているではないか。
敬(うやま)わなければ、何によって犬や馬と区別しようか。

解説として、

これは親にたいする尊敬の念を持つことの大切さを説いています。
尊敬の念は親に対する感謝の気持ちが根底にあるからこそ出てくるものです。
これは人間だけが出来る親への感謝の行為です。
親にモノの不自由をさせないことよりももっと大切なモノがある。
これは2500年前も今も同じですね。
誕生日は祝って貰うよりも、親に感謝をするべき日である、と言う言葉は二宮尊徳翁の言葉です。
いつまでも親に対する感謝の気持ちを忘れないようにしたいものです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

感謝合掌 山内 恭輔

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