社長と学ぶ人間学 その10

人間学を共に学ぶ皆さん、こんにちは。

11月の黄砂が飛来するのは5年ぶりとのことですが、気候の変動が激しい時には、人心も乱れやすいと言います。

人間学を学ぶ目的は、論語などの古(いにしえ)の言葉に触れることで、人間としての正しい生き方を再確認して、自分を律する心を養うことにあります。

しかしながら、人間的成長には特効薬はありません。

漢方薬の如く、日々の学びと実践の積み重ねによって、自然と身についていくものだと考えて、末永く一緒に学んでいきましょう。

子曰く、之を導くに政(せい)を以ってし、これを斉(ととの)うるに刑を以ってすれば、民免れて恥ること無し。
之を導くに徳を以ってし、之を斉うるに礼をもってすれば、恥ずるありて且(か)つ格(ただ)し。

為政第二

意味は

孔子の教えによれば、人民を導くのに、法律や規則で統制して、もし従わないときは刑罰を厳しくすれば、人民は刑罰から逃れれば良いと思い、悪いことをしても少しも恥ずかしいとは思わない。

ところが、人民を導くのに、徳(モラル)をもって行い、礼(マナー)をもって接すれば、人民は徳と礼節を失う悪事に対する恥を知り、そして自らが正していくようになる。

今の時代にピタリと当てはまる至言と思いますが、如何でしょうか?
これは国という大きな単位だけではなく、会社や家庭など身の回りにも当てはまると思います。

残念ながらタクシー業界においても、違法駐停車をして客待ち営業を何ら恥じることなくされている乗務員さんが居ますし、また、これを黙認している会社が多くあります。

彼らをもっと厳しく取り締まるべきだ、という声もありますが、それは一過性のものであり、やはり道徳と礼節の大切さを教えることが必要です。

それが社長の義務だと思います。
私も微力ながら、月刊社長短信、社長の週間一言などを通じて、あるいは管理職の皆さんと共に、仕事を通じて道徳と礼節の正しさを伝えていますが、まだまだ道半ばです。

戦後の歪んだ教育政策によって道徳教育が削除されましたが、ここまで人の心が乱れ、枯れてしまうとは誰も想像は出来なかったと思います。
しかし、現状を憂う人々によって、最近は論語の勉強会が各地で行われています。
私達も、論語を含めた人間学を通して、人間としての正しい生き方を学び、それを実践することで、その行いは大河の一滴かも知れませんが、少しでも世の中の流れを良い方向へと導きたいものです。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

感謝合掌 山内 恭輔

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