社長短信 2014年9月 第204号

社長短信 2014年9月 第204号

 

日本の治安は世界で最高のレベルであり、そのお陰で私達は安心して安全に暮らす事が出来ています。

しかし、その弊害として危険への感受性が非常に低くなっているそうです。

ある実験で、部屋の非常ベルが鳴ってもほとんどの人が椅子に座ったままで待避行動を取らなかったそうです。

確かに、非常ベルが鳴っても大騒ぎをする方が恥ずかしい気がして、「ここは大丈夫だろう」とか「まさか火事なんて無いよ」と勝手に考えてしまう傾向が私もあります。

これは交通事故も同様であり、危険感受性の低い人ほど安全確認が不十分なために事故を起こしたり、あるいは事故に遭っているそうです。

バックブザーが鳴っても気にしない、バックカメラを見ようともしない、一旦停止を確実に停まらない、交差点通過時に構えブレーキをしない、後方を確認せずに客席ドアーを開ける、というのは危険感受性が低いからです。

危険感受性を高める一番有効な方法はヒヤリハットを書く事だと科学的にも証明されていますが「ヒヤリハットを書くような事態に出会うような事が無い」という人ほど危険感受性が低くて、大変に危険なのだそうです。

「注意一秒、ケガ一生」という有名な交通標語がありますが、ほんの一瞬の注意不足で一生の後悔を残さないように、ヒヤリハットを活用して危険感受性を高めたいものです。

更には、私達接客サービス業において一番の課題がお客様からのクレームの対処方法です。

接客サービス業において、お客様満足の追求はとても大事ですが、それ以上に大事な事はお客様からクレームが出ないようにする事です。しかし、お客様もいろいろな方が居られて、クレームゼロが大変に難しい時代になりましたので、クレーム処理も企業の大変に重要な課題となりました。

「100引く1はゼロ」という言葉がありますように、一つのクレームが企業の信用をすべて失う場合があります。

クレームの発生原因の多くは「一言多いか、一言足りないか」であり、クレームにならない方法の一番は「気が回るか、気が回らないか」です。

これらを適切に判断するためにはお客様の心を瞬時に察する感受性の高さが必要となります。

感受性の高い人は、お客様の心を機敏に察しますので、余計な事は言いませんし、必要な事はキチンと伝えます。

また、お客様に合わせた細やかな気配りが出来ます。

この感受性は「相手を思う心=思いやり」とも言えます。

ご縁があってご乗車して下さったお客様へ感謝の気持ちを込めて思いやりの心で接する事で、更に快適で安全なサービスの提供を行い、たくさんのありがとうを頂き、職業プロとしての誇りを更に高めたいものです。

 

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