社長と共に人間学を学ぶ その4

人間学を学び、人間力の向上を目指す同志の皆さんへ

今回のテーマは論語からではなく、同じく中国の偉大な思想家である老子という人の言葉を勉強します。

「恨みに報(むく)ゆるに徳を以(もっ)てす」

意味は

どんなに非道な仕打ちを受けても相手を恨まないことが人としての正しい生き方である。

今現在、恨みに報いるのに恨みをもって行っているのが、アメリカの貿易センタービル爆破に対する報復として行っているイラクやアフガニスタンへのイスラム過激家への弾圧です。

結局は、報復の連鎖が続き、終止するところが判らない泥沼状態になっています。

結局は恨みに報いるのに、恨みをもって行うと限りなく責め合い地獄になるということです。

この点、昔の中国人には立派な教育を受けた指導者が多かったようです。

一番有名な方が中華民国の蒋介石総統です。

太平洋戦争が終結した時に、蒋介石総統は

「昨日の敵は今日の友、恨みに報ゆるに徳を以てす」

と宣言されて、数百万人の軍人や民間人を丁重に日本へ送り返してくれました。

そして賠償権と進駐権を放棄しただけでなく、日本の天皇制の護持を明確に支持してくれました。

そのお陰で、ソ連が日本へ進駐するわけにいかずに、日本は二分されずに済んだのです。

更にソ連はシベリアに数十万人もの日本人を抑留して多くの犠牲者を出したことは日本人は皆知っています。

これは学校では教えませんが歴史の事実です。

しかし、中国には多くの民族が住んでいますので、その蒋介石を台湾に追いやり中国での実権を握った今の中国の指導者達は「恨みに報ゆるに恨みを以てす」、目には目を、歯には歯をという考え方が強い人種であることはいちいち説明をしなくても日本人は皆知っています。

「恨みに報ゆるに徳を以てす」という生き方は容易なことではありません。自分の心の中で戦い、自らを律する努力が必要です。

しかし、相手がいかに出てこようとも、私達日本人はそれに引きずられないで、自らを省みながら正しい対応の仕方をすることが今こそ大切ではないでしょうか。

そのためにも論語や中国の古典を通じて人間として正しい生き方を学んで人間力の向上に努めたいものです。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

感謝合掌 山内恭輔

 

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