社長と共に学ぶ人間学の記事一覧

社長と共に学ぶ人間学 その31

人間学を共に学ぶ皆様へ

昨日、気象台が梅雨入りを発表しました。

例年よりも12日ほど早いそうです。

これも異常気象の一つ?と心配される方も居るようですが、今は敢えて人心が乱れる言動は避けたいものです。

人間はとかく風評に左右されやすいものです。

例えば、外国人は日本の福島県で原発事故が起きたということで、日本全体が危ない、と思っている人が少なくありません。もしかしたら日本人でも最初はそう思った人もいたかもしれませんね。

大切なことは、事実を客観的に観察して、過大評価することなく、また過小評価することなく、適切な評価をすることができる客観性を高めたいものです。

客観性を高める方法の一つは人の話をじっくりと聴くことです。

話をじっくりと聴くことで、話の本質が見えてきます。

今の私に一番必要な事だと思います。

さて、今回の論語は礼節についてのお話です。

読めば当たり前のことが書いてあるのですが、私自身は成る程なあと思いました。

林放(りんぽう)、礼の本(もと)を問う。
子曰く、大なるかな問いや。
礼は其の奢らん(おごらん)よりは寧ろ(むしろ)倹せよ(けんせよ)。
喪(も)は其の易か(おろそか)ならんよりは寧ろ(むしろ)い戚めよ(いためよ)。

八イツ第三

口語訳
林放(魯の人)が礼の根本を問うた。
孔子が言われた。
大事な質問だね。
冠婚などの吉礼は、物事を贅沢(ぜいたく)にして奢る(おごる)のではなく、質素にして倹約しなさい。
葬儀や服喪の凶礼は、形式が整うよりも、むしろ心から悲しむようにしなさい。

解説
孔子が魯国の林放という人に礼の根本について語ったものです。
礼(婚礼や祝い事)の本質は、華美や贅沢ではなく慎ましやかな謙譲と倹約にあります。

葬式(喪)の本質は、準備万端整えたスムーズな葬式にあるのではなく、故人を静かに忍び本心からの悲哀の念を捧げることにあるとしました。
以前の結婚式は商業ベースで、見せるための豪華絢爛な結婚式であったように思います。

けれども、最近の結婚式は新郎新婦にとって思い出深いものになるような内容重視の大変に慎ましいスタイルが好まれているようです。

ちょっと前までの日本人はブランドモノを身につけることで自尊心を満たす傾向が強かったように感じます。

以前に「ボロは着てても心は錦」という歌の一節がありましたが、冠婚葬祭に限らず、何事も見た目よりも心の在り方を重視したいものですね。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

感謝合掌 山内 恭輔

社長と共に学ぶ人間学 その30

人間学を共に学ぶ皆さん、こんにちは。

昨日と一昨日にわたり、つばめの社員総会を開催しましたが、参加いただいた社員の皆さんの前向きで誠実な姿勢態度のお陰で、一体感の溢れる、大変に盛会にて終了することが出来ました。

我が社の経営指南役であり、私の親父代わりをして下さっている谷川先生も社員さんの人間性の高さに感服され、「つばめは社員さんは質が違う」と言って、お褒めの言葉を頂きましたが、素晴しい社員さんと出会えたご縁に深く感謝をする次第です。

さて、この度の論語は私の大好きな一節です。

どうぞ一緒に学びましょう。

子曰わく、其の鬼(き)に非ず(あらず)してこれを祭るは、諂い(へつらい)なり。
義を見て為ざる(せざる)は勇なきなり。

為政第二

口語訳

孔子が言われた。
自分の祖先でもないのに祭るのは、へつらい(卑屈)である。
正義だと知りながら行わないのは、勇気が無いからだ。

解説

先祖でもないのに祭るというのは、御利益目当ての都合主義を批判しています。
また、時の権力者に媚びへつらって、自分の先祖以外を祭ることは勇気がないと孔子さんは断じています。
逆に言えば、自分の先祖をしっかりと祭りなさい、という意味でもあります。

この一節の全文二行において、後半一行の「義を見て為さざるは勇なきなり」という言葉は武士道にも当てはまる意味であり、大変に有名な言葉になりました。

人間ですから正しいと判っていてもなかなか実行に移せれない時も多々あります。
その時に、この言葉「義を見て為さざるは勇なきなり」と自分に言い聞かせて、実行に移しては如何でしょうか?

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

感謝合掌 山内 恭輔

 

社長と共に学ぶ人間学 その29

人間学を共に学ぶ皆さん、こんにちは。

先般、テレビニュースにて、東京電力の社長が避難所で避難住民の皆さんにお詫びをしている映像が流れていました。

何も罪の無い人達が突然に強制的に避難させられたのですから、不満や怒りの声が沸き上がる気持ちはよく分かります。

しかし、多くの住民の皆さんは、東京電力の社長に『早く原発事故を直すように頑張ってください』と言われていました。

同じ環境に置かれていても、反応の仕方がまったく違いますが、そこに人それぞれの品格、徳性の差を感じました。

東京電力の社員さんも罵声を浴びる社長を視てヤル気を出すよりも、社長への励ましを視てヤル気が出るのが人間の心情ではないでしょうか。

改めて、日本人の素晴らしい相手を許す心根の優しさと徳性の高さを感じて、とても嬉しくなりました。

さて、今回は徳性を高めることの大切さを説いた論語を学びましょう。

哀公(あいこう)問いて曰く、何を為さば則ち(すなわち)民服せん。
孔子対えて(こたえて)曰わく、直き(なおき)を挙げて諸れ(これ)を枉れる(まがれる)に錯けば(おけば)則ち民服す。
枉れる(まがれる)を挙げて諸れを直きに錯けば則ち民服せず。

為政第一

口語訳

哀公(魯国の君主)が孔子にたずねた。
『どうすれば民衆が私の命令に服するだろうか』
孔子がその問いに答えておっしゃった。
『まっすぐな正しい人を挙げ用いて、曲がった人の上に置くならば、民衆は心から服従するでしょう。
まがりくねった悪い人を挙げ用いて、まっすぐな人の上に置くならば、民衆は服従しません。』

解説

孔子さんが魯の君主である哀公に「国家統治の正しいあり方」を指南した内容です。
これは現代の政治、あるいは企業にも当てはまります。
人の上に立つ人は、知識や経験や技能も必要ですが、人間の根本である徳性の無い人では人が従いません。

やはり、人の上に立つリーダーとして徳をしっかりと身につけたいものです。

しかし、徳を身につけることはリーダーだけに必要なことではありません。

徳性を身につけて自分の品格、品性を高めることで自分の周りの人間関係が良くなりますから、人間なら誰しもが徳を身につけ、徳を高めたいものです。

そのためにも、人間学を共に学び、何か一つでも、あるいは一回でもいいから実践しましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

山内恭輔

社長と共に学ぶ人間学 その27

人間学を共に学ぶ親愛なる皆さんへ

前回26回から、私の都合により随分と間が空いてしまいました。

大変に申し訳ありません。

さて、東日本大震災の復興も道路、鉄道などのインフラ整備においては驚異的な早さで進んでいます。

これも世界の人々が賞賛する日本人の勤勉さの表れでしょうね。

明治維新後に日本は驚異的な早さで近代化が進みましたが、これも江戸時代に寺小屋が沢山に普及して、当時でも識字率(文字を読める人の率)がイギリスを抜いて世界一という国民の教育レベルと高い道徳観、労働観があったからからこそだと言われます。

その寺子屋での教科書が論語です。

その論語は日本には1600年前に伝わりましたが、日本人は論語によって高い道徳心や勤勉を重んじる遺伝子を受け継いでいるだと思います。

今回は勉強の仕方について論語から学びましょう。

子曰く、学びて思わざれば則ち(すなわち)罔し(くらし)、思いて学ばざれば則ち殆し(あやうし)。

為政第二より

和訳

孔子がこうおっしゃった。
物事を学ぶだけで自分で深く考えないと本当の知識は身につかない。

自分で考えるだけで師から学ばなければ(独断・独善の弊害が生まれ)危険である。

解説

物事を学ぶときに、その学んだ内容を自分に置き換えて、自分だったらこうする、ああする、などと深く考えないと単なる物知りで終わり、それでは、何も役に立ちません。

「深く考える」とは自分に当てはめて考えるということです。

しかし、自分で考えるだけでなく、師匠を持ち、その師匠に時には質問をしながら学ばないと、自分勝手な解釈となってしまい、独善におちいる危険性があるということです。

孔子さんも自分自身が死ぬまで、周公という人物を尊敬していたそうです。

人間は誰しも、もう自分は学べる人が居ない、あるいは学ぶ必要がない、と思った瞬間からごう慢になってしまいます。

常に謙虚にあらゆるモノから学ぶ姿勢を忘れたくないものです。

最後まで読んで下さり、有り難うございました。

感謝合掌 山内 恭輔

社長と学ぶ人間学 その26

親愛なる人間学を共に学ぶ皆様へ

先週、私が師事しています伊輿田先生の講義がありました。

大震災直後の講義ですから、どんなお話を聞かせていただけるか大変に興味と楽しみを持って参加しました。

開口一番
『死生命有り、富貴天に在り』
と言われました。

意味は

死生、すなわち生きるのも死ぬのも、また富貴もすべて天命である

伊輿田先生は、
「この度の千年に一度と言われる大震災にて亡くなられた方々は大変にお気の毒であり、同じ日本国民としてご遺族の方々の悲しみを思うと心痛の極みです。
財産を一瞬にして無くされた方もおられます。
しかし、これも天命である、と考えることで昔の人は悲しみを乗り越えてきました。
更に、『諸行は無常、万物は流転』という言葉もあるように、万物は常に変化して、少しの間もとどまらない。
けれども、流れにただ身をゆだねて流されるままの人生を送ってはいけません。

『箸を持って、万水をめぐらす』

小さなハシであっても大きな水の流れを作り出すくらいの気概を私達日本人は今こそ持って、たくましく生きていくべき時です。」
という、お話を聞かせていただき、大いなる勇気と元気をいただきました。

私達一人ひとりの持っている箸は小さなハシかもしれませんが、皆が力を合わせたならば大きな水の流れ、すなわち日本国復興の大きな力になれます。

『今こそ日本は一つになろう』
最近、この合言葉がよく聞かれますが、私達もお互いに力を合わせて頑張りましょう。

山内恭輔

社長と学ぶ人間学 その26

人間学を共に学ぶ皆さん、こんにちは。

この度の東日本大震災において亡くなられた多くの犠牲者の方々に心からご冥福をお祈り申し上げます。

震災以来、いろんな悲喜こもごもの人間ドラマがありますが、私は素晴らしい日本人の精神の再発見があったと思います。

今回の人間学は、論語の解説を変更して、今、インターネット上で流れている素晴らしい日本人の精神の高さを感じる文章を皆さんにお届けします。

下記の行動は一朝一夕で出来上がったものではなく、私達日本人の遺伝子として積み重ねて来た高い精神文化だと思います。

1)
ディズニーランドでは、ショップのお菓子なども配給された。
ちょっと派手目な女子高生たちが必要以上にたくさんもらってて「何だ?」って一瞬思ったけど、
その後その子たちが、避難所の子供たちにお菓子を配っていたところ見て感動。
子供連れは動けない状況だったから、本当にありがたい心配りだった。

2)
外国人から見た地震災害の反応。
物が散乱しているスーパーで、落ちているものを律儀に拾い、そして列に黙って並んでお金を払って買い物をする人達。
運転再開した電車で混んでるのに妊婦に席を譲るお年寄り。
この光景を見て外国人は絶句したようだ。
本当だろう、この話。すごいよ日本。

3)
国連からのコメント
「日本は今まで世界中に援助をしてきた援助大国だ。今回は国連が全力で日本を援助する。」

4)
一回の青信号で1台しか前に進めない中、
譲り合い穏やかに運転している姿に感動した。
交通が5分以上完全マヒするシーンもあったが、10時間の間お礼以外のクラクションの音を耳にしなかった。
日本がますます好きになった。

5)
昨日の夜中、大学から徒歩で帰宅する道すがら、
とっくに閉店したパン屋のおばちゃんが無料でパン配給していた。
こんな喧噪(けんそう)のなかでも自分にできること見つけて実践している人に感動。
心温まった。東京も捨てたもんじゃないな。

6)
韓国人の友達からさっききたメール。(日本語訳後)
「世界唯一の核被爆国。大戦にも負けた。毎年台風がくる。
地震だってくる。津波もくる……小さい島国だけど、
それでも立ち上がってきたのが日本なんじゃないの。頑張れ超頑張れ。」
ちなみに僕いま泣いてる。

7)
ホームで待ちくたびれていたら、
ホームレスの人達が寒いから敷けって段ボールをくれた。
いつも私達は横目で流してるのに。あたたかいです。

8)
サントリーの自販機無料化softbankWi-Fiスポット解放、
色んな人達が全力で頑張っててそれに海外が感動・協力してる。
海外からの援助受け入れに躊躇したり自衛隊派遣を遅らせたりしてた阪神淡路大震災の頃より日本は確実に強い国になってるんだ。
みんな頑張ろう。

9)
終夜運転のメトロの駅員に、大変ですねって声かけたら、
笑顔で、こんな時ですから!だって。捨てたもんじゃないね、感動した。

10)
都心から4時間かけて歩いて思った。
歩道は溢れんばかりの人だったが、皆整然と黙々と歩いていた。
コンビニはじめ各店舗も淡々と仕事していた。
ネットのインフラは揺れに耐え抜き、各地では帰宅困難者受け入れ施設が開設され、
鉄道も復旧して終夜運転するという。凄い国だよ。GDP何位とか関係ない。

11)
日本全国の皆さん。やさしさを失わないで下さい。
弱い人をいたわり、互いに助け合い、許そうとする気持ち失わないで下さい。
あなたが不安な時、きっと周りの人も不安なはずです。
これが私達の願いです。私達も同じ気持ちで頑張ります。

12)
2歳の息子が独りでシューズを履いて外に出ようとしていた。
「地震を逮捕しに行く!」とのこと。小さな体に宿る勇気と正義感に力をもらう。
みなさん、気持ちを強く持って頑張りましょう。

13)
4時間の道のりを歩いて帰るときに、
トイレのご利用どうぞ!と書いたスケッチブックを持って、
自宅のお手洗いを開放していた女性がいた。
日本って、やはり世界一温かい国だよね。あれみた時は感動して泣けてきた。

14)
日本全国の皆さん。やさしさを失わないで下さい。
弱い人をいたわり、互いに助け合い、許そうとする気持ち失わないで下さい。
あなたが不安な時、きっと周りの人も不安なはずです。
これが私達の願いです。私達も同じ気持ちで頑張ります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

皆さん、ご感想は如何ですか?

改めて私達日本人に誇りを持つことが出来たのではないでしょうか。
この文章を書いた人達はほとんどが20歳代から40歳までです。
立派なお手本を示せるように私達も更に人間力を高めたいものですね。

山内恭輔

社長と学ぶ人間学 その25

人間学を共に学ぶ皆さん、こんばんは。

この度の東北関東大震災にて多くの尊い人命が失われましたこと、心痛の極みであります。

心からご冥福をお祈りいたします。

朝からずっと流れてくる被災地の情報に心が張り裂けるような思いを持って聴いていますが、皆さんも同じ心境だと思います。

まだ苦難は始まったばかりであり、これから更に厳しい困難、障害が発生します。しかし、今、私達が為すべき事は、憂いて立ち止まるよりも、ただひたすらに前進あるのみです。

今の出来事に心を乱されることなく、目の前のやるべき事を一所懸命に取り組む事だと思います。

海外の報道では、被災地では秩序が保たれて盗難や略奪等は全く無く、避難所にはゴミ一つ落ちてないことに感嘆と称賛の声が上がっていますが、同じ日本人として大変に誇りに思います。

今回は『窮しても(困っても)困らない』という論語を共に学びましょう。

陳(ちん)に在(あ)りて糧(りょう)を絶つ。
従者(じゅうしゃ)病(や)みて能く(よく)興つ(たつ)こと莫し(なし)。
子路(しろ)慍み(うらみ)見えて(まみえて)曰く、君子も亦(また)窮(きゅう)すること有るか。
子曰く、君子、固(もと)より窮す。小人、窮すれば斯(ここ)に濫る(みだる)。

衛霊公第十五

口語和訳

孔子とその弟子達一行か、陳の国にいる時に隣国の呉と戦争が起きて食糧が無くなってしまった。
孔子の弟子達は餓えて疲れて立ち上がる気力も無くなっていった。
子路が憤激して孔子に尋ねた。
『君子も困ることがありますか?』
孔子は答えられた。
『君子でも当然困ることはあるさ。しかし、小人は困ると混乱して何をするか判らないものだ』

解説

孔子は君子と小人の
『困窮した時の対処の違い』
を冷静に説いています。

孔子は、小人は困窮が極まると自暴自棄になって何をするか分からないが、君子はどのような苦境にあっても冷静に自分の徳性と倫理観を失うことがないと教えています。

今、被災者の人達は悲惨な状況にありながらも自暴自棄になることなく、復興に向けて一歩を踏み出し、頑張っています。
安全な場所にいる私達も『窮しても困せず』、困っても乱れない、この姿勢を持って、日々新たに頑張りましょう。

山内恭輔

社長と学ぶ人間学 その24

人間学を共に学ぶ皆さんへ

三月に入って暖かな日と寒い日が交互に続き、なかなか暖かな日も長続きはしませんが、梅の花も咲き始めて春は着実に近づいてきました。
これを三寒四温と言いますが、やはり昔からの天候や季節に関する言い伝えは正確ですね。
このような智恵はしっかりと受け継いで日本人ならではの豊かな情緒をしっかりと育みたいものです。
さて、今回の論語は「温良恭謙譲」という言葉を学びます。
詳しくは後程に述べますが、私達の祖先が中国から伝わった論語から学び、育んできた温良恭謙譲の精神こそが日本人らしい譲る心を持ち、他人との争いを避ける心優しく懸命な民族性の原点です。
この素晴らしい温良恭謙譲の精神を次世代へと正しく引き継ぎことが、私達大人の大きな責任であると思います。

子禽(しきん)、子貢(しこう)に問いて曰く、『夫子(ふうし)の是(こ)の邦(くに)に至るや必ずその政(まつりごと)を聞けり。

これを求めたるか、そもそもこれを与えたるか。』

子貢曰く、『夫子(ふうし)は温良恭倹譲(おんりょうきょうけんじょう)以ってこれを得たり。夫子の求むるや、其諸(それ)人の求むるに異なるか。』

和訳

子禽が子貢に尋ねた。
『孔先生は、どこの国に行かれても、必ず政治について意見を聞かれるが、これは孔先生から求められたものか、それとも先方(君主)からもちかけられたものでしょうか?』

子貢はこれに対して、
『孔先生はお人柄が穏(おだ)やかで素直、恭(うやうや)しくして行いにしまりがあり、それに謙虚で人に譲るところがあるので、先方から求められたのである。従って、先生が求められるのは、他の人の求め方とは大いに違うと思うよ』

解説

子貢(しこう)は最も優れた孔子の弟子の一人です。
子禽(しきん)は孔子の弟子ですが、子貢の弟子とも言われています。
孔子が生きていた2500年前の中国では、国の君主に仕官として取り立てて貰うために、自分が勉強をした学識を誇らしく強引に話していました。
しかし、孔子という人は、決して自分から売り込むようなことはしませんでした。
反対に孔子の温良恭謙譲という人柄を多くの人々は知っていたので、君主の方から意見を求めてきたのです。

この文章は、孔子の慎(つつ)ましく、へりくだる謙譲(けんじょう)の美徳を強調した文章です。
現代においても、自分の才能をしっかりとアピールして、それによって自分の地位や待遇を向上させる、どちらかというと西欧的な考え方の日本人が多くなってきました
しかし、日本人の根本的な道徳思想として、自己顕示欲を戒めて傲慢不遜(ごうまんふそん)を抑制する「謙譲の精神」が高く評価されています。
しかし、この自分を低く見せる謙譲の精神は、西欧の価値観では「卑屈・柔弱・自信の無さ・リーダーシップの欠如・自己嫌悪・へつらい」というように悪い方向で解釈されることが多く異文化交流の障壁ともなっているのが残念です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

感謝合掌 山内恭輔

社長と学ぶ人間学を学ぶ その23

人間学を共に学ぶ皆さんへ

ニュージーランドで大きな地震がありました。
多くの日本人の方、特に若い留学生の方々の安否が不明ということで、深い悲哀の念を持ってニュースを聴かれている事と思います。
日本に居る私達は直接には何も出来ませんが、一人でも多くの方が無事に救出されることを皆さんと一緒に心からお祈りしたいものです。
更に、明日は吾が身と申しますが、いつ自分に災いが降りかかってくるかも知れません。
常に今を一所懸命に生きる姿勢は忘れたくないものです。
ちなみに、「一生懸命」よりも、私は「一所懸命」という、一つの事(所)に命を懸ける、という表現の方が人間らしくて良いと感じています。
皆さんは永続型ですか?あるいは一つに集中型ですか?
さて、私達の存在は祖先からの永続が在るからこそ、今を生きています。
その当たり前の事でも、祖先に対して感謝の気持ちをキチンと持つことは大切ではないでしょうか?
そのことによって、人間社会の縦軸が強くなり、人間の命を更に大事にする風潮が生まれると思います。
今回はそのような内容の論語です。
曾子(そうし)曰く、終わりを慎み(つつしみ)遠きを追えば、民の徳厚きに帰す(きす)。

学而第一

口語訳として

曾先生がこうおっしゃった。
(上に立つ者が)親の葬儀を丁重にして真心から喪に服し、そして先祖の祭りを手厚くするれば、人々の人情風俗は自ら厚くなるものだ。

解説

曾子は孔子の弟子の中でも最も優れた一人です。
その曾子が孔子の言葉として語っています。
孔子の時代は今から2500年前ですが、その頃から親を敬い大事にすること、そして先祖を大切にすることを積極的に教えていました。
国を治める者が自らの親を大事にして、葬儀も丁寧に行い、そして先祖を崇拝して大切にすることで、国民の人情風俗が厚くなる、すなわち思いやりの心が深まり、国が平和に治まることに繋がると説いています。

これは国家という大きな単位だけでなく、家という小さな単位でも同じです。

子供を立派な社会人に育てるのは親の責任ですが、それは口で言うよりも、親が自分の親を大事にして、祖先を敬う姿勢を見せることで十分に子供は思いやりの深い立派な人間に育つのではないでしょうか?

来月の3月のお彼岸には是非とも家族みんなでお墓参りをしたいものですね。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

感謝合掌 山内 恭輔

社長と共に人間学を学ぶ その22

人間学を共に学ぶ皆さんへ

一昨日の日曜日に府中営業所にて「つばめ餅つき大会」を開催をしましたが、多くの社員さんに来場いただき、そしてお手伝いも頂き、大変にありがとうございました。
来場された近所の皆様へ、一所懸命におもてなしをされているつばめの社員さんの姿を見て、素晴しい仲間と一緒に働ける事を心から誇りに思いました。
天も味方をしたのでしょうか、前日土曜日の暴風雪、あるいは翌日の月曜日は冷たい雪雨でしたが、日曜日だけは晴天に恵まれました。
これも日頃からの皆さんの行いの良さの賜物と感謝する次第です。
さて、今回の論語は、人から尊敬される人間としての在り方を一緒に学びましょう。

子曰く、君子、重(おも)からざれば則ち(すなわち)威(い)あらず、学べば則ち固ならず。
忠信(ちゅうしん)を主(しゅ)とし、己(おのれ)に如(しか)かざる者を友とすることなかれ。
過てば則ち改むるに憚る(はばかる)こと勿かれ。

学而第一より

和訳は

孔子がこうおっしゃった。
上に立つ者は、言動を重々しくしないと威厳がなくなる。
学問をすれば独善、頑固でなくなる。
忠信の徳を第一にして、安易に自分より知徳の劣った者と交わって、いい気になってはならない。
そして、過ちがあれば、それを改めることをためらってはならない(即座に間違いを改めなさい)。

解説として

忠信とは
忠は、上位者に対して尽すこと
信は、目上の人にも、目下の人にも誠実さを守ること

と解釈をします。

つばめ交通において、リーダーの必要条件には、仕事力と人間力がありますが、私が最も大切にしているのが人間力です。
この人間力とは人から尊敬されるほどに自分の仕事に対して誠実に取り組む人、仲間が誇りに思えるほどに値する人のことです。
リーダーとは、人に良い影響を与える人間のことですが、いくら仕事力が高くても、知識や経験が豊富であっても、人間力が低いとリーダーは勤まりません。
やはり、リーダーには人間力と仕事力の両立が必要です。
論語の中で、言動を重々しくしないと威厳がなくなる、というのは知識や経験に基づいて指導をしても、自分がちゃんと行っていないと誰も信用も尊敬もしてくれないということです。
学問は、知識を身につけるだけではありません。
生きた学問は見識を広めることになります。
見識を広めることで、いろいろな考え方、見方を身につけますので、独善的や決めつけがなくなるというものです。

職場に於いて、上司や部下に対して誠実に関わることが大事であり、自分よりも能力の低い人と比べて優越感を感じていても何も得るものはありません。
人の上に立つ者は、自分の過ちを即座に認める勇気と、直ちに改める実行力が必要です。
リーダーというだけでなく、友人や同僚との人間関係も、言っている事とやっている事が違っていては、人からは尊敬も信用もされません。
また、過ちを素直に認めて、直ちに改める事が出来ると、人間関係も良好になって、更に幸せな人生にすることが出来ると思います。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

感謝合掌 山内 恭輔

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